ヨーロッパへの旅行にビザが必要になる?「ETIAS(エティアス)」って何?
目次
ヨーロッパ旅行にもビザが必要になるの?
日本のパスポートを持っていると、ヨーロッパの殆どの国ではビザが免除されています。(2018年1月現在)
特に海外に駐在していたり仕事で海外によく行く人は、日本のビザの重要性を凄く実感します。
このビザに関してですが、2016年に欧州委員会(European Commission)は、ヨーロッパの一部の国へ旅行する際に事前申請が必要になる、新しい制度である「欧州渡航情報認証制度(ETIAS:エティアス)」の導入を発表しました。
実際に導入されるのが2021年1月1日からで、これまでシェンゲン協定加盟国へのビザが免除されている日本のパスポートも対象になります。
(当初、導入は2020年からとされていましたが、2021年に延期になっています。)
ビザ免除対象国という立場が変化するわけではありませんが、「渡航前にオンラインで必要情報を入力して認証を貰う」必要が出てくるわけです。
現在、特にヨーロッパでは、難民の過剰流入問題などが頻繁にニュースなどでも取り上げられています。
また、テロの脅威などの影響や安全保障上の問題で、アメリカを始め国境での監視や警備を一段と強化する流れになってきています。
9.11以降、アメリカでは渡航者へのチェックが一段と厳しくなり、2009年1月から「ESTA」の登録が必須となり2010年9月からは有料化されています。
同様に、オーストラリアへの入国に「ETAS」、カナダへの入国には「eTA」の事前申請が必要です。
(オーストラリアへの入国は、元々観光ビザ取得が必要でした。)
このように、既に世界の流れは事前認証が必要になっており、それに引き続きEUもようやく動き出したというところです。
ETIAS(エティアス)が必要になる国はどこ?
現在、「ETIAS(エティアス)」の導入が決まっているヨーロッパの国は、下記の26カ国になっています。
アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン
EU離脱が取りざたされているイギリスと、イギリスに隣接しているアイルランドは、共にシェンゲン協定に加盟していないため「ETIAS(エティアス)」の導入もありません。
アイルランドはシェンゲン協定に加盟する可能性もありますが、その場合は「ETIAS(エティアス)」が必要になると思われます。
ETIASの申請に必要なものと入力項目
これまでに決まっていることとして、「ETIAS(エティアス)」の申請には下記の物が必要になります。
- ICパスポート
日本では、2006年3月末から「ICパスポート」が導入されています。 - 料金支払いのためのクレジットカード
(ユーロ建てでの支払い:7ユーロ)
また、ETIASの申請に際しオンラインフォーム上で入力が必要な項目は、以下の項目となります。
◆申請者情報
1.姓
2.名前
3.生年月日
4.その他の名前
5.出生地
6.性別
7.現在の国籍
8.申請者の親の名前
9.自宅の住所
10.メールアドレス
11.電話番号
◆パスポート情報
1.パスポート番号の情報
2.他の国籍や市民権に関する情報
3.永住権の住所。
◆その他質問
最初に入国する国
学校または現在の職業情報
◆適格性の質問
1.病状または他の感染性または伝染性の寄生虫性疾患に関連する。
2.過去の犯罪の有無
3.戦争地域の国への渡航歴
4.移民または渡航履歴について
5.EU加盟国にへの入国拒否または強制送還歴
6.申請者が未成年者の場合、未成年者の責任者の身元について
(下記は、該当する場合)
7.申請者が申請人本人とは異なる第三者によって提出された場合、その者およびその会社の身元
ETIAS取得に必要な期間や有効期限など
ETIASはオンライン上のみでの申請になり、支払いはクレジットカードのみ、審査時間は96時間から最大2週間ほどかかります。
念の為、少なくとも3週間~1ヶ月ほど前には申請したほうが良さそうです。
手数料(7ユーロ)が必要になるのは成人のみになり、18歳未満の未成年の場合は手数料がかかりません。
未成年(幼い子供)でも、ETIASの申請は必要になります。
ETIASの有効期限は、通常3年間になります。
但し、パスポートの有効期限が3年以内の場合は、パスポートの有効期限内までが有効期限となります。
また、有効期限が3年間であって、1回の渡航期間は90日間になります。
一度ETIASを申請したら、180日の間に90日以上滞在していない限り、有効期間内は何度でも入国できます。
現在のシェンゲン・ビザでは、180日間の間に累積で90日間滞在したら、少なくとも次の90日間はシェンゲン協定国には滞在する事ができないため、シェンゲン協定国以外の国に出国する必要があります。
但し、シェンゲン協定国であっても、オーストリア・ポーランドなどの一部の国のように、シェンゲン協定で定められた滞在期間を超えて、6か月以内の滞在が許可されている場合もあります。
これらの条件は、ETIASが始まっても同様になると思われます。
因みに、EUの政策執行機関であるEC(European Commission)のサイトの中に、滞在可能日数や入域可能日などが簡単に計算できるページがあります。
期間内に何度かシェンゲン圏を訪れたことがある場合、これからあと何日シェンゲン圏に滞在できるのか?次はいつ入域出来るのかを計算できます。
ETIAS申請の注意点など
また、ETIASの公式ホームページには、利用条件として下記のように記記載されています。
◇ETIASは、観光、ビジネス、トランジットなどの目的の旅行にのみ利用可能です。
観光やビジネスで入国するだけではなく、トランジットのみでEUに入る場合も必要になります。
但し、空港の国際エリアから出ない(国境検問所を通らない)場合は必要ではありません。
ツアー会社を通さないで、ご自分でチケットなどを手配する方は注意が必要ですね…
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