シンガポール[年金制度と積立制度について]その1
日本では何年も前から年金制度の事が色々問題になっていますよね?
年金用の資金はそのうち枯渇するとかの問題は、もう何十年も前から議論されており、人口減少に向かっている日本ではこれからの子どもたちにとっても大きな問題であり解決しなければいけない問題なのに、全く有効な施策を考えない役人や自分の票のことばかりしか考えていない政治家はいかがなものか…
ところで、シンガポールにも年金制度はあるのでしょうか?
シンガポールには、日本と同じような「公的年金」というものは存在しません。
しかも、日本の「国民健康保険」に該当するような「公的保険制度」もありません。
そうなると、シンガポール人は老後の事が心配でしょうがないのでは?と思われますが、シンガポールにはそれに替わるもっと有効な積立金制度があります。
いわゆる「CPF(中央積立基金)」と言われるもので、シンガポール人の社会保障を担っています。
そのおかげなのか、暑い国に住んでいる人特有の楽天的な性格なのか、50歳を過ぎると仕事を辞めてとっとと引退を決め込んでいるローカルの友人が何人もいます。
気の向いた時に、知り合いに頼まれたアルバイトをして、気楽に生活しています。
「CPF(Central Provident Fund-中央積立基金)」とは、どういうものかというと…
1955年に創設された制度で、働く人(勤労者)が不慮の事故にあったり定年退職後に働けなくなった場合に、その人の経済的な保障をするための制度です。
実際には、毎月の給料から強制的にお金を積み立てる制度です。
日本の年金と大きく違う所は、毎月積み立てたお金なので、実際には銀行などに預け入れたお金と同じで全部自分のお金だということです。
日本の場合は、次の世代が引退した世代を支えるような制度になっており、これから人口減少が確実になっている状況では、必ず破綻するのが目に見えている制度です。
そして、実際に自分が引退した時にはいくら貰えるのかもしくはもらえないのか、全く先が見えないというのが大きな問題点です。
さらに、最近はその私達が毎月支払っている年金用のお金を運用して、何兆円もの損失を被ったという馬鹿げた報道もあります。
資産を運用する人も資産運用のプロではなくて、厚生労働省からの天下り官僚が行っていると聞いて、これはもう呆れる次第ですね…
そして、「CPF」とはどのように運営されているかというと…
まず、加入者は一定以上の収入がある「シンガポール国民」および「永住権取得者」で、強制的に加入する必要があります。
給料から毎月天引きされ積み立てられる資金は、本人の給料だけからではなく同額若しくはそれに準ずる額を会社も負担します。
50歳以下の場合、2016年現在は本人の給料の20%を給料から差し引かれ、会社は給料の16%に相当する金額をその人の積立金として毎月支払います。
割合はその時の社会情勢や金融情勢により変わることもありますが、大体は同じような割合です。
つまり、給料の40%近い金額を毎月積み立てることになります。
50歳以上になると、割合が若干変わってきます。
また月額の給料が1500ドル以下の場合は、掛金率が変わってくるそうです。
月額給料5000ドルが掛け率の上限だそうです。
(5000ドルでも6000ドルでも積立金額は同じだと言う事です。)
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